プレスリリース : 2018年度決算
ハンブルク、2019 年 5 月 31日
2018 事業年度:
- 全世界売上高:83 億 ユーロ(11% 増)
- 連結決算の当期利益 6,610 万ユーロ(前年度:1,840 万ユーロ)
- HELM PROMAN Methanol AG の創立:メタノールの販売を行うグローバルなジョイントベンチャー
- 医薬品事業部が成長企業 Phargentis S.A. に参入、肺疾患のための優れた治療分野を開拓
HELM グループは、2018 年度も成長を続け、満足できる結果を得ることができました。売上高のみならず、経営面での結果にも、向上が見られます。全世界売上高は、83 億ユーロを計上し、前年比 11 % 増となりました。
HELM グループの当期利益は、 6,610 万ユーロ(前年度:1,840 万ユーロ)を計上しました。化学部門、化学肥料、医薬事業分野の業績が、2018 年度の業績向上に、大きく貢献してます。
「前年度、当社は新たな道を歩み始めました。北アメリカ最大のメタノール製造工場への参入、そして HELM Proman Methanol の創立により、メタノールを基盤とした事業を、世界を舞台に、新たに展開し始めました。同時に、当社の核となる事業においても、物流、配送、国際的なマーケティング事業により、益々その価値を強化しています。このことは、数多くの新規取引契約を結ぶことができたことからも、明らかです」と HELM AG 代表取締役のハンス=クリスチャン・ジーヴァースは述べます。
連結決算業績:各指数の推移
- 単位:100 万ユーロ - | 2018 | 2017 | 2016 |
売上 | |||
- 対外売上 | 5,106 (+24%) | 4,111 (+6%) | 3,867 (-15%) |
- グループ売上 世界合計 | 8,297 (+11%) | 7,445 (+7%) | 6,935 (-18%) |
利益 | |||
- EBITDA | 112.3 (+140%) | 46.7 (+131%) | 20.2 (-71%) |
- 税引前利益 | 95.5 (+285%) | 24.8 (+786%) | 2.8 (-95%) |
- 連結決算利益・損失 | 66.1 | 18.4 | -15.6 |
2018 年度における HELM グループの主要な売上市場は欧州であり、全体の 56.3 % を占めました。米国のシェアがそれに続いて 27.0 %、アジアが 16.2 % となっています。
自己資本は 7 億 7,900 万ユーロ(前年度:7 億 2,700 万ユーロ)と、更に増加しました。HELM グループの自己資本率は、42% という高い割合を有しており、高い独立性及び安定性を誇っています。4 つの事業分野の拡充を行うための投資が、今後予定されています。
事業分野別の活動概要
化学部門:フィードストック、誘導体、メタノール
製品価格が引き続き上昇傾向を示している有利な市場環境のなか、2018 年度、HELM 化学事業分野の連結売上は、37 億ユーロ(前年度:26 億ユーロ)に上り、前年比 42% 増を達成しました。
メタノール製品群の事業が、化学部門の業績向上に、大きく貢献しています。2018 年 6 月より、スイス、ヴォレラウの HELM Proman Methanol グループが、メタノールの生産を行っています。アメリカ合衆国、ヒューストンおよびシンガポールにも事業所を構え、HELM Proman Methanol は、世界中の需要に対応しています。これに加え、このジョイントベンチャー企業は、HELM グループが参入しているアメリカ合衆国の新規メタノール工場の商品の販売も手掛けています。
酸事業およびアルカリ事業においても、良好な成長が見受けられました。スペインのブルゴスには、新たな事業所が開設されました。
化学事業分野の売上げは、全体の売上げの 73 % を占め、HELM グループの中でも、最も売上比率が大きい分野となっています。
化学肥料部門
2018 年度、化学肥料事業分野は、更に悪化の傾向を見せました。
化学肥料事業分野は、この不調におけるリスクの影響を、意識的に低減するため、構造的なマーケティングおよびディストリビューション事業に焦点を置き、活動を行ってきました。HELM はアメリカ合衆国でのディストリビューション事業を拡張し、ルイジアナ州アレキサンドリアに、新たなターミナルを設立し、操業を開始しました。このような背景もあり、2018 年度、当事業分野の売上げは、7 億 6,000 万ユーロ(前年度:9 億 2,200 万ユーロ)に留まりました。
しかしながら、化学肥料事業分野の売上げは、2018 年度も安定しており、HELM グループ全体の 14.9 % を占め、グループで 2 番目に売上比率の高い事業分野です。
農薬部門
とうもろこしや大豆などの不作をはじめとする困難な市場の状況により、商品コストが上昇したため、農業分野の経済は、大きなダメージを受けました。これを受け、農薬事業にも、ネガティブな影響が生じることとなりました。
2018 年度は HELM グループの農薬事業分野にとって困難な状況であったとはいえ、連結売上 10.7% 増の 2 億9,000 万ユーロ(前年度:2 億6,200 万ユーロ)という数値は、満足できるものではありません。中国における商品不足が、価格の高騰を引き起こし、この価格の変動から顧客を保護するため、当社は、損失を受けることとなりました。さらに、為替の変動が、特にラテンアメリカ市場の売上げに、大きなダメージを与えることになりました。
農薬事業分野の主要な販売市場は、欧州、北米、南米となります。
医薬部門
- HELM グループの医薬事業分野は、さらに業績向上を継続し、連結売上 2 億 200 万ユーロ(前年度:1億 9,200 万ユーロ)を計上しました。
HELM グループの医薬事業分野は、2 つの部門により構成されています。医薬品原料(API)の販売、および医薬品の開発、販売です。両事業分野共に、優れた業績を上げており、HELM グループの売上げに、大きく貢献しています。
2018 年度、HELM グループは、COPD 分野の吸入器を専門とする成長企業、Phargentis S.A.の事業に参入しました。
さらに、医薬事業分野では、多発性硬化症、癲癇、単純疱疹、肌および軟部組織感染を扱う 4 つの商品を、市場に導入することができました。
人事
2018 年度における HELM グループの従業員数の世界合計は、増加しました。2018 年 12 月 31 日時点、HELM のハンブルク本社で 664 名(前年度:627 名)、その他のドイツ各地で 733 名(前年度: 688 名)の社員が勤務していました。資本参加した関連起業を含めると、世界全体で 1,621 名(前年度:1,521 名)の社員が、HELM グループの事業に携わっています。
2019 年度の展望
世界的に経済成長が滞っている中、HELM は好調な滑り出しを見せており、2019 年度のグループのさらなる成長を確信しています。
世界中に存在する子会社のディストリビューション事業が、今事業年度も、安定した利益を生みだす HELM グループの柱として、機能しています。
新たなメタノール ジョイント ベンチャー、HELM Proman Methanol により、HELM グループは、世界中に、より効率的に商品を販売することができるようになりました。この事は、2019 年度第一四半期の売上げの向上という形で、表れています。新規の納品契約が、2019 年度の業績にも、良好な影響を与えることが予測されています。
HELM グループ概要
HELM AGは、118 年以上の歴史をもつハンブルクの伝統的な同族企業です。多機能型の総合販社として、化学品、農薬、医薬品原料・医薬品、化学肥料の各分野で事業を展開しています。HELM グループは、現在、世界最大大手の化学品販売企業のひとつに数えられており、世界 30 ヶ国以上に設けた 100 社を超える支社、販売拠点、資本参加を通じて、世界の主要な市場にアクセスすることができます。